2011年9月23日金曜日

振り子式ディーゼルカーが目指したもの


振り子車両の技術の成熟に・・・

また・・・

省エネ、高出力とされる直噴式エンジンの開発に・・・


JR発足から遠くない時期に成功したことは、JR九州四国北海道という、
いわゆる3島会社にとって、とても幸いなことでした。


国鉄の債務超過に伴って・・・


とかく・・・ この3島の線路、車両の更新、改良が後回しとされてきたため、
本州に対して絶対数の少ない乗客が、さらに道路や航空機に
流れていたためです。


3島会社にとって・・・ 競争力の維持、回復が絶対課題でした。


線路の改良、高速化に、今しばらく時間のかかる JR九州は ・・・

乗ること自体を目的にして貰えるほど豪華な特急車両を、
稼ぎ頭となる、鹿児島本線にいち早く新造投入して、

乗客を飽きさせない、話題づくりに務める・・・という作戦に出ました。


国鉄時代に、幹線の電化を完了させることで、
一応の土台は整えられていた九州に対して・・・


非電化路線がほとんどで、一層の不利が予想される、
JR四国JR北海道は・・・ 瀬戸大橋青函トンネルの開通を
またとない好機と捉え・・・

また・・・ 迫り来る高速道路の全通に備えるべく、
線路の改良と、振り子式ディーゼルカーの開発投入を急ぎました。


こうして・・・

線路の改良、試作車を経て、
1990(平成2)年から、世界初の制御付き自然振り子式ディーゼルカーとして、
運転を開始したのが・・・写真のJR四国2000系です。

1988(昭和63)年の瀬戸大橋開通、1993(平成5)の
新幹線「のぞみ」の山陽新幹線での運転開始と、矢継ぎ早に到達時間の
改善が進められ、競争力の維持に貢献しています。


今となっては、昔話となるのですが・・・


国鉄が抱える膨大な借金を理由に、
瀬戸大橋の鉄道部分の工事を凍結することが
真剣に検討されていたことを考えると、今の状況は感慨深いものがあります。

このことは・・・

いかに、将来を見通しながら動くことが難しいものか、

また・・・

どれだけ必要なものであるかということ・・・ を

考えさせられてしまいます。


写真は・・・

岡山駅で、四国方面への出発を待つ、JR四国2000系気動車です。


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