2010年12月16日木曜日

平成の世に・・・ 58654号機の再復活が教えてくれたもの



    1988年(昭和63)年8月23日・・・

    九州の地に 再び 蒸気機関車列車 の汽笛が響き渡りました。

    
    大正生まれの 8620形蒸気機関車 58654号機。


    それに先立ち・・・


    廃車以来、長きに渡り 安住の地であった 矢岳駅前 の保存場所を離れ

    JR九州 小倉工場 に 運び込まれました。


    復活のための解体調査の結果・・・


    ボイラー 運転室 炭水車 タイヤ(接地面) について

    新造するということになりました。


    ボイラーを新造したって~!?


    そのニュースを聞いた時には 正直、驚きました。


    移動機械用大型ボイラー の製造技術は

    既に失われたものと思っていたからです。


    多くの蒸気機関車ファンにとっては偽らざるところだったでしょう。


    その前に・・・


    元々・・・ 手入れを欠かさず行っている

    地元で大事にされた保存機関車 だったから復活が可能なんですね。


    これは 文化財 全てに言えることで

    今に伝える それらを守り続ける

    地域の方々には 感謝の他ありません。


    こうして・・・


    熊本 と 阿蘇山麓 を結び 阿蘇外輪山 に

    蒸気機関車 の汽笛を響かせる こととなったのですが

    途中に スイッチバック を含むような

    運転上の難所 を抱えていたためでもあるのでしょう。


    とうとう・・・


    2005年(平成17)年 機関車の生命線ともいうべき

    台枠に歪みを生じ 運転中止に至ります。


    もはや、これまで・・・


    JR九州 は 車両メーカー4社に対し 台枠の新造 を打診しますが

    応ずるメーカーが無い と 九州の地元紙が伝えていました。


    暫らく後・・・


    日本車両製造 が これに応じます。


    打診する方もびっくりでしたが 応じる方も
    勇気があるなぁ~ と思いました。


    ただ・・・ その話を聞いた時


    やはり、このメーカーが受けたのか~ とも。



    設計図が残っていたことが その決め手となったようですが

    機関車の設計図 というものは  ・・・には限りませんが

    現代の 既存の鉄 を それらしく加工して 何とかなるものではなく

    鉄の成分を分析したり
    図面の行間を読んだりする必要が出てくるからです。


    音楽で言うと 楽譜 ♪ が それで クラシック音楽 あたりは

     作曲当時の音を探す研究が 絶え間なく続けられています。 


    熱での膨張を計算して、経験上の 遊びを設けてあったりするために

    図面を読んでいて 現代の技術ならば、必要ないのでは!? と

    考えられた加工も 施しておいたようです。


    さて・・・


    最後に 機関車には 名前 とも言うべき

    固有の番号 が付番されていますが

    その元は 通常 台枠 に拠りどころを持っています。


    ・・・ということは


    この 58654号機。

    先の ボイラー 運転台 タイヤ 炭水車 に加え 台枠 を新造して

    再復活を遂げたのですから

    ひとつ 番号を進めても良い事 になります。



    ここに 平成の新製蒸気の誕生 なのですが・・・


    そんな無粋な事はしませんよね。


    なぜなら・・・

    
    人は昔懐かしい

    58654号機 を追いかけ、走るのですから!!!




    分割しようかな~ でしたが 最後は一気に。

     平成の世に蒸気機関車は新製できるか!?

     最後まで読んでくださった皆様 ありがとうございます♪

       

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