2011年9月13日火曜日

カブトガニに見る干潟の破壊と回復

 

2億年前には、おわんを伏せたような、独特の姿で
もぞもぞと、干潟を歩いていたのだとか・・・

皆さんも、ご存じ カブトガニ ですね!

あぁ、知っているよ・・・ 笠岡湾に住んでいる、確か博物館もあったかな!?
・・・と思われた方がいらっしゃいましたら、正解っ!

しかしながら、もはや笠岡湾でも、絶滅寸前となっているようです。


この生き物ほど・・・ 人間に振り回されてきた生き物も無いかも知れません。


今日は、そんなカブトガニの気持ちになって瀬戸内海を眺めてみたいと思います。


まず・・・

一部地域で食用とされていた他は、人の役には立たないんですね。

それどころか、漁の網にかかると、網を痛めてしまうことから
漁師達に嫌われ、そのまま浜に打ち捨てられることも少なくなかった、
・・・と言われています。

網を上げてみると・・・ せっかくの収穫を台無しにしているのですから、
その気持も分からないでもありません。

しかし・・・ それだけならば、生息数に大きな影響は無かったことでしょう。


1960年以降・・・ 生息地である干潟が埋めれていくなかで・・・

急速に生息数を減らしていきます。
建設資材としての海砂の採取なども、
瀬戸内海に大きな環境変化をもたらしました。

埋立前は・・・ 広大な干潟が見られたであろう、広島市の海岸でも
生息していたとされます。

次第に、追い詰めらていくなか・・・

笠岡湾に多数見られることが伝わったのもつかの間、
笠岡湾干拓地整備により、さらに生息環境を奪われます。

実際に行ってみてると分かりますが、この干拓地の利用の現場を見る限り、
彼らを追い詰めただけの、何かがあったかどうかについては
大いに疑問が残ります。

それでも・・・さまざまに生息環境を残す手段があったものと思うのですが、
とうとう顧みられることはありませんでした。

干潟のシンボルである、カブトガニが消えるということは・・・

貝類、エビやカニ、それらを餌とする魚の減少にも繋がっていきます。

よく・・ 食の安心安全なんて言いますが、こういうことも含めてであって、
実際には難しいものですね。


そんな・・・ カブトガニ ですが

瀬戸内海では、今も 山口県長門付近、広島県江田島市能美 付近 にも
若干、生息が見られるとされています。

今後・・・ 瀬戸内海の自然をどう回復、維持していくのかが問われています。



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