2011年1月13日木曜日

ドルトムントからの風



    広電 が 電車開業70周年 にあたる 1982(昭和57)年 に
    導入した 70形 (通称 ドルトムント電車 )・・・

    その通称が示す通り・・・ ドイツ ドルトムント市 で不要になった
    中古車を輸入したもので ハノーバー電車 や グリーン・ムーバ と
    いった ドイツ車勢 を見慣れた 現在の目から見ても異色の存在です。

    1977(昭和52)年 開業65周年のセレモニー の時の
    海外の電車を購入しては・・・ という話が発端となったものらしく
    検討を重ねた結果、このタイプ2編成が導入されたもの。

    当時 広島の路面電車 が 動く電車の博物館 という名で知られるように
    なっていた頃で、観光資源として、もうひと押しを期待してのことでしょう。

    登場と同時に、大いに話題となりましたし 外国型車両独特のスマートさ は
    他の電車には見られない特徴でした!

    しかしながら・・・ やはり 日本と違う風土に生まれた育った電車 は
    何かと扱いにくく、部品の確保も難しい。 ほどなく一線を離れて
    車庫で休むことが多くなりました。
    
    現在は 後に ビール電車 として改造された 76号 のみが残されています。

    ・・・と言ってしまえば 輸入車は失敗 と言うことになるのかも知れませんが
    この電車を扱うことで、実績をつくったことが 後のの広電の ドイツ組運用 に
    あたっての自信 に繋がることになったのではないでしょうか!?

    路面電車にとって、受難の時代の挑戦 でしたが
    現在・・・ 苦境に追い込んだ存在に対し、逆に意味を問う存在に
    なりつつあることを考えると、感慨深いものがあります。


    写真は・・・ 江波車庫 に留置されている 76号 です。
    ちなみに・・・ 外観は、輸入当時の 地ビールの広告 を今も残してあります。



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