2009年11月29日日曜日

終着駅は始発駅



 今日のタイトルは…



 学生時代に 特に親しんで読んだ


 鉄道紀行作家 宮脇俊三 さんの作品のタイトルから


 拝借させて戴きました。




 宮脇さんの 訥々とした 独特の文章は


 どこか汽車の ガターン ゴトーン という響きにも似ていますね。




 近年、一般的な評価が高まってきているようにも思います。




 さて…


 再び 門司港駅


 雰囲気満点の駅舎の中に入り 改札口を抜けると…


 これまた、雰囲気満点の終端駅。


 

 できるものなら、このような駅から旅立ちたいな~ 




 と思うほどに 大道具 ・ 小道具 の 舞台装置が揃っています。


 

 折角なので…

 
 全盛期の 門司港駅 へ


 ちょっと タイムスリップ してみませんか!!!




 一晩揺られた 夜行列車を 降りた


 私達家族 は


 同じ列車で旅を続けた方達と共に


 関門連絡船 に乗り込んだ。




 これが あの源平合戦の舞台であり


 長州一国が、徳川幕府に報いる戦いをした


 歴史の舞台として知られる 関門海峡なのだと


 ぼんやりと考える。




 先ほどから寝ている 幼な子を 私が抱え


 妻には 上の子の手を引いて貰う。




 身重の身には これでも堪えようが


 目指す 熊本までは まだ時間がかかる。


 申し訳ないが もう一辛抱して貰う他はない。




 門司の駅に着いた。


 洗面所で 顔を洗い少しさっぱりする。


 上の子は 煤まみれの顔を 鏡に映して


 私に おどけて見せる。




 一つ汽車は遅らせた。


 朝を食べて、ゆっくり向かえばいいことだ。




 家族は 先ほど眺めた 海を 今しばらく じっくり眺める。


 何となく足がそちらに向かった。




 今しばらくは 本土ともお別れ…


 今しばらく 少し目に焼き付けておきたかった。


 皆も、そう思ったことだろう。




 大陸に向けて船が出るということで、港は賑わっている。


 さぁ…家族の分だけでも 席は確保しなくては…


 

 …と、まぁ こんな感じでしょう。


 大正後期 から 昭和初期


 東京 なり 大阪なりから 新任地へ向かう家族…という設定。




 今なら… 飛行機で どん! でしょうし…


 どうかすると…


 週末くらい たまには帰ってきてよ! と


 言われかねない設定でしょう。




 門司港駅には…


 当時からの洗面所


 駅内食堂


 関門連絡船の連絡通路跡 等が残っていますから


 上の文章の 雰囲気も味わえますよ。




 私が旅を始めた頃には…


 まだ、この駅から 特急列車が 多数発着し


 その当時の よすが が強く残っていました。











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