2010年1月23日土曜日

館長と… その8  遣唐使船



   1989年に開かれた 海と島の博覧会 の展示の一つとして
   かって大陸との交易に使われた 遣唐使船 が復元されました。

   単なる飾りではなく、実際に浮かべることのできるもので
   その船で各港を巡り、開幕間近となった博覧会をアピールする
   イベントが行われました。

   その船が広島港に立ち寄ったのは…
   確か土曜日の事だったように覚えています。
   
   午後から予定があり、家族から早めに帰ってくるように言われながら
   自転車で出掛けて行きました。


   遣 唐 使 船


   歴史の教科書には出てくるものの…
   実際に、その姿を見れるとは思いませんでしたから大興奮!!!
   乗り物好きには堪えられません!

   そして… いざ、出港!
   遣唐使船 は 次の目的地 宮島 を目指し港を離れます…

   実際にはタグボートに曳かれていくのですけど
   往時を偲ばせるような光景。


   ずっと離れていくまで眺めていたい…


   幸いにして、先程までシャッターを切っていた多くの方が
   遮るように停泊していた船から写真撮影をしています。

   とっさに…

   今思えば何でそうしたのか、自分でも不思議なのですが…
   私はその船に乗り込みました。

   そして…
   私が乗ったのを確認するかのように、その船も港を離れました。
  
   ちょっと待って!!! 降ります!!!

   もう、無理ですよ…

   今の距離なら、飛べば大丈夫ですから…

   いや…

   乗るとき止められませんでしたか…

   いえ…

   う~ん?

   まぁ、仕方が無い… 午後には宮島港に入りますから
   そこまで乗っていってください。

   …

   全く、情けないやら悲しいやら、すぐそこに停めている私の自転車が
   どんどん遠ざかってゆきます。
   この船は、関係者を載せる随伴船だったのです。


   やがて… 海の真ん中で船は、速力を落とし
   お互いが近付きます。

   拡声器で、遣唐使船 へ向かって

   「はぁ~い、櫓を漕いでくださーい!」 と指示。

   往時の衣装を身に纏った方達が
   合図に合わせ一斉に櫓を漕ぎます。


   「こんな光景、そうそう見れるもんじゃないですよ。
   折角ですから こっちに来て、よく見ておくといいですよ! と
   意気消沈している私に
   事情を知った関係者が声をかけてくれます。
   
   「昼も用意しました。まだ港までは時間がかかりますから
   ここでゆっくり食べてください!」

   関係者 でも 招待者 でも無いのが残念
   だけど、不思議な事だけど、確かに僕はここにいます。

   そこから、さらに 厳島神社沖
   もう、陸は目の前だというのに、さらに1時間近く停泊。

   厳島神社  遣唐使船

   それは、それは見事な眺めです!!!

   そりゃぁ…
   ここぞとばかりに宣材撮影をしなければならないでしょう。
   天気もまずます。
   あぁ… この時カメラを持っていたらなぁ~。


   さすがに諦めがつき始めた私は

   もしかしたら、船の神様が呼んでくれたのかも知れんなぁ…

   この姿をしっかり覚えておいてね… と

   実際、乗り込んだ時に乗船証明を確認されなかったのも
   不思議といえば不思議です。
   
   先程眺めた、遣唐使船の神棚を思い出しながら考えていました。
   実際、数日後には商工センターにある会場に引き上げられる
   予定となっており、その時が最初で最後の組み合わせでした。


   写真は…
   後に、母親からプレゼントされたもの。
 
   これが、あなたの話に出てきた時のものね!

   
   
   

   

  

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

海と島の博覧会…略して海島博…懐かしいですね!

つばめ館長 さんのコメント...

もうあれから20年にも
なるんですからね~
海島博の時に生まれて無かった子は
もう社会人だぁ~