2011年8月15日月曜日

旅気分は実感とともに・・・


   先ほどの地元局さんが、年配の男性と共に戻ってくる。


   あ~ 悪かったねぇ~
   運転できるものが、食事をするのに、家へ戻っとるんですよ。

   そう話ながら、男性は駅の小屋へ。
   この方は駅務担当者。


   お力になれなくて・・・・・ と申し訳なさそなうなのが
   逆に申し訳ないけど、
   この一件で Iさん は 乗車するために残る気になったようで・・・
   発車までのもう20分ばかりを待つことにします。  


   往時は「命の保障はしない」とされていた森林鉄道。

   運行規則や運転技術、車両性能と何かと問題があったらしく、
   人身事故こそ多くはなかったものの、
   
   夕刻・・・ 戻ってきたという合図の、機関車の汽笛を聞くと安心した・・・という
   運行に携わった方の証言が残されています。

   それくらい無事に済む日が少なかったのだとか。

   先ほど、道の駅で買い求めた「森林鉄道物語」を読んでいると・・・
   
   昔持っていた、森林鉄道をテーマにした絵本「さだおばさん」
   彷彿とさせられるようなエピソードが掲載されています。

   有名な「黒部峡谷鉄道」も、往時は「命の保障をしません。」という
   条件付きで、乗車を認めたと言いますから、ここ魚梁瀬に限った話ではなく
   全国で同じような状況だったものでしょう。


   やがて時刻が来て・・・


   私達を乗せた列車が走り始めます。

   ズシン・・・ ズシン・・・ ズシン・・・

   普段乗っている列車が、いかに乗り心地に気を遣ったものであるかを
   改めて実感できる、何とも直接的な、線路からの響きが伝わってくる台車。

   木製の車体が軋む音も新鮮に感じられます。
   

   軽くジョギングする程度の速度なんですが、それなりに速度感があります。

   とはいえ、思っていたよりも乗り心地は悪くありません・・・
   ( 木がクッションになるのかしらん!? )
   

   私達は、ついつい先程走ってきた道、最近乗った電車を基準に
   乗り心地を考えてしまうのですが、

   往時の道の条件を考えると、やはり地元の人にとって
   有り難い乗り物であったに違いなく、
   だからこそ、今に語られる存在として残されているのでしょう。


    小さな旅気分を味わえる、周回線路2周の旅。

    これで数キロでも走れば、なかなかの旅気分だろうな~!と思えてくるほど、
    実感に溢れた何分間かを終え、下車する私達に

    どうでしたか!? と声をかけるのは、やはり地元局リポーターさん。

    ずっと笑顔で列車を見送っている姿が気になっていましたが、
    やはり、仕事の枠を超えて喜びを感じられている笑顔でした。

    私も、早く乗りたい思っているのですけど・・・ ♪


    クルー号も、まもなく発車みたいですね~。
    

    さぁ・・・ 帰りの運転頼むよ~!

    了解!

   
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