2010年4月10日土曜日

めがね橋は語りかける



    長崎市を代表する景観のひとつ…


    中島川石橋群 の


    めがね橋



    都市景観とは何ぞや など話さずとも



    この橋を 日々、または折にふれて


    通り過ぎ、眺める


    …だけで 人々に語りかける何かがあろうことは

    想像に固くありません。



    そんな有名な橋は



    高名な建築事務所 または デザイナー の作品!?

    …ではありませんね。

    

    その地域に暮らす人々が お金を出し 図面を引き 汗を流し

    利用し 守り継いでいるもの です。



    守り継ぐものも 博物館 の中にある必要は無く



    むしろ… 現役で使用され、守られている物の方が

    遥かに幸せな存在でしょう。


    概ね… 維持には困難や不便さが伴ない

    論争になる事も少なくありませんね。


    しかし… それ故に

    時間を経るごとに

    多くの人々の心の中に

    郷愁 や 愛着 を生む存在になっていくものです。


    つばめ・ミュージアム の中でも


    例えば… 広島近隣に限っても


    平和に関わる活動であったり

    地域の食材の供給と利用

    厳島神社と信仰

    石見銀山の街並みと住民参加

    SLやまぐち号 と 沿線の景観

    広電の移籍車両群 と 利用者の理解 

    鞆の浦の景観 と 開発

    神楽への取り組み

    音戸の舟唄全国大会  


    これら…

    ガラスケースの中に収まり、価値いくら では

    収まりきらないもの。


    そういう価値に

    少しでも 関心を持っていただければ

    
    私 として つばめ・ミュージアム  として

    とても嬉しいことなんです!



    
    
  

2010年4月8日木曜日

石橋に賭ける夢



    今回の 長崎旅行 の 目的のひとつ…

    中島川 に 架かる 石橋群。


    
    その興味の発露は…


    ずっと以前 鹿児島市内の書店で買い求めた。


    山口祐造 著   石橋は生きている    葦書房。


    諫早市役所に勤られ 諫早の石橋の解体
    保存を見守られた方。
    そんな中で 自ら興味を持ち
    全国各地の石橋を調べ上げられた本書は
    以前の 熊本 ・ 宮崎 での石橋を巡る時の資料であり
    私の 石橋探索 の 基本となっている書です。
    
    そして… 今回の  中 島 川 石 橋 群 。

    江戸時代 世界に向かっての 唯一の窓口となった
    長崎は 貿易で大いに栄えたのですが。
    従前からあった 木橋 は 洪水の度に流され
    発展を阻害する原因となっていました。

    そんななか、そこに暮らした 中国人富豪達 自らの財を投じ
    一本 また 1本… と こぞって 橋 を架けていきました。

    高価な 石橋 は 大名 とて 領内に2、3本架けるのが
    やっと…といった状況でしたから
    当時の 長崎 が いかに栄えていたかがよく分かります。
 
    そんな 中国人 の 義挙 を 日本人も黙ってみていられる
    はずもなく… 自らも財を投じていった結果。

    わずかの距離の間に 多くの 石橋 が見られる
    全国的にも珍しい 石橋群 を誕生させるに至ったのです。

    それは… 技術を蓄積しながら


    やがて

    九州全域 に 多くの 石 橋 を誕生させ。

    日本を代表する 石橋の名橋である


    通潤橋 や 霊台橋 を誕生させていくこととなるのです。


    
    写真 は  袋 橋  架橋年不明 ながら
    度々の洪水に耐えて 現在に残っています。


    


     


   

2010年4月7日水曜日

咲き誇る



     揺れる花を コンデジ で撮る。

     どれかが成功していれば良いだろう… と思うから

     ほんと 気楽な撮影 ♪


     

2010年4月6日火曜日

ダンス



     静かに桜を眺めていると…

     鳥が、次々とやってきては



     桜の木の上で 春の日差を喜ぶかのように

     飛び回りって、花を散らしていく。


     少し変わった写真を取ろうとばかりに

     接写していると

     そんな 彼らが眺めているだろう景色に変わっていた。


     蜜が甘いのか、跳ね回ることを楽しむのか?

     その ダンス は見飽きない。


     案外と 白い花びら中の 赤紫

     目指すのはここよ… と招いているかのように見える。







      

2010年4月5日月曜日

困らせる子ほど可愛いらしく感じられる趣味ゴコロ!!!



    一度は その歩みを止めながら…

    今… 再び 全国で復活し 運転されている 蒸気機関車。


    しかしながら…

    現在も よく知られ 活躍する 乗り物 の中で
    これほど扱いづらいものも少ないように思います。


    皆さんは…
    公園 や 博物館 などに保存されている
    蒸気機関車 の 運転席 に座ったことはありませんか!?

    機会があれば ぜひ座ってみて 前方を注視してみてください。


    前方が どれほど見えるているのかを…

    
    あれっ? と思うほど
    前方確認が難しいことに気づくと思います。


    少しおおげさに言えば…


    ほとんど、何も見えずに走っているようなものです。

    
    今のように… 夜も明るい時代ならともかく。
    当時… 特に 真冬の北海道などは
    よく走ったものだと 機関士 の勇気に感心させられます。

    一部を除き 運転席後方は 吹きさらし
    石炭を すくって 釜に投入する作業を繰り返す。

    まんべんなく 石炭を投入し
    上手に火床を作っていかないと… 力が不足し
   
    坂道で必要以上に低速で喘ぐこととなります。

    トンネル内で立ち往生し 機関士 が窒息死するケースもありました。


    そして… 基地での点検。
    もう火を落として随分経過しているとはいえ…

    まだ熱い釜の中に入っての 点検 や修理 は
    決まって 新入りの仕事。

    これを抜け出したくて、早く機関士になろうと頑張ったと
    後年 多くの方が語っています。
    
    今でいう 3K どころではなく 5K にはなるのでは?と
    いうほど過酷な世界。

    そんな… 取り扱いの大変な機関車の 機関士 ですが。

    今や その列車の 運転手 は 観光列車の運転手 という
    誉すら感じる仕事に様変わり。

    蒸気機関車運転手 は 希望者 を募り
    乗務員 を養成するといいます。

    扱いづらい、安定しない、自動化された部分が少ない、
    人の手がかかる。

    それゆえに
    その息遣いが しおらしくも感じられ 趣味性が強く出る。

    後年の 電気・ディ-ゼル機関車の力には及ぶべくも
    ありませんが、決して性能以上の力を出すことの無い
    それらと比べると 一時的には、能力以上の性能を
    発揮させることが出来るというエピソードも。


    そういえば…
    車の世界でも 飛行機の世界でも
    趣味を 突き詰める人は。
    あえて扱いづらいものを選び
    よく手入れすることで 愛着を感じているように感じますね。

    手作りゆえに 同じ型式でも 個体 によって性能が異なる
    蒸気機関車の 機関士 も よく 馬乗り に例えられます。

    機嫌を伺い、なだめながら その持ち味を発揮させることに
    喜びを感じる
    そんな… 昔の 乗馬 ような世界は
    形を変えて 今も健在なのでしょうか。


    




    

2010年4月4日日曜日

プロローグ 手から手へ… 



    どこの 何から書き始めよう?


    以前から、頭の片隅に置いてはいるのですが…
    なかなか筆の方が進みません。

    それは…

    つばめ・ミュージアム の テーマ そのもの。

    博物館 や 美術館 のお話。


    私達は 過去から時間を受け取り
    未来へと引渡していきます。


    いにしえの時代から 脈々と続く流れ。


    私は旅に出るとき…


    自然の風景以上に

    人々がこしらえた道具や建物なりに感激します。

    そこに… 流された汗・希望・執念を
    みるからではないかと思っています。


    そして…

    皆さんも経験がおありになりませんか?

    子供の時…

    布団に潜ったとき感じた言いようの無い恐怖感。

    自分も いつかは死ぬんだ…
    
    それは、決して長すぎる時間とも思えません。

    博物 や 美術 の前に立つとき

    過ぎ去ってなお、今も生きているように語られる人達の姿。


    私達は何を引き継いでいくのでしょうか。



    写真は 広島県福山市 鞆の港。
    何の手を加え、何を引き継ぐことになるのでしょう?