東京駅丸の内駅舎の高層化案が現実味を帯びた時・・・
現在地での保存活用を求める 大規模な市民運動が起こり
最終的に、現在地での保存活用が決まった事は
開発一辺倒の時代の終焉の音が近づくとともに
人々の 文化財や公共空間への意識が
これまでになく高まってきている事を印象づけるものとなりました。
私も これを今の場所のまま残すことができれば、
他も残されていくことになるだろう・・・と 当時思ったものですが
これについては、後に 広島でも大きな出来事がありました
福山市の 鞆の浦の開発論争が起こり
広島県主導での埋め立て架橋か、景観保存か、
住民を二分して揺れるなか
やがて 全国的な関心事へと発展していくこととなり
住民側が起こした訴訟で 広島地方裁判所が
国民の財産ともいうべき公益
・・・と表現して、鞆の浦の景観の普遍的な価値を認めることになりました。
個人的には、丸の内駅舎の保存論争から始まった
比較的新しい公共空間も、大切に保存活用していこうとウェーブが
ひとつの着地点をみたのが、この鞆の浦判決ではなかったかと捉えています。
古い文化財は、時の権力者の力、財力の象徴が多く、
見た目にも豪華絢爛なことが多いため、多くの人が価値を認めやすいのですが
新しい文化財は、公共的、民衆的なものが多く、今もって価値が定まっていないものが多い。
象徴的なものに 原爆ドーム があります。
この建物が、後に世界の人の知り、現在地に立ち続ける価値を認める
近代文化財になると 終戦直後 誰が想像したことでしょう!?
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