大照院
広島を追われた毛利氏が 最後の最後に辿り着いた場所… 大照院 苔むしたお寺に 私一人… 先ほどからの 降ったり、止んだりの雨は 高く茂る木々に阻まれ なかなか私の体までもは濡らすことがない。 林と一体になったかのような感覚が嬉しい。 お墓のなかにいるのに、寂しさは漂わない。 それどころか もしかすると 私は今、何らかと対話しているのかも 知れない…と思うような不思議な感覚があるのだけど それも楽しいかも知れないな… と感じるような明るさが ここにはある。 小学校の修学旅行以来 何度目の訪問になるだろうか? そんな感じなのに やはり今回もここを目指していた。 子供の頃、田舎の方の家に遊びに行くと 敷地の中にお墓がある家があって 冗談まぎれに 怖いじゃ~ん と言ったら そんな事は無いさ… ご先祖様と暮らせるんだよ 賑やかでいいじゃないか… と明るく返され そんなものか…と妙に納得した覚えがある。 あのね… お盆には 本当に僕らが先祖を迎えにいくんだよ… 一緒に 自分たちと家に帰るんだ 帰ってどうするの? みんなで宴会をするのさ! 私は今でも この家に お盆に訪ねてみたかったと思っている。
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